圧力の値と基準を先に確認する
圧力は単位面積当たりに働く力です。SI の圧力単位であるパスカルは、平方メートル当たり一ニュートンに等しく、値が大きい場合はキロパスカルが便利です。bar は機器やタイヤの表示に広く使われ、psi は米国の多くの圧力計に見られます。標準気圧は定義された基準値との比較に使います。これらの単位はいずれも同じ物理的な圧力を表せます。ただし、換算係数を使う前に、計器が何を示しているか確かめてください。表の各列に単位を記し、その数値が圧力差を表すのか、真空を基準とする絶対圧を表すのかも明記してください。
よく使う圧力単位を比べる
1標準気圧は正確に 101,325 Pa、すなわち 101.325 kPa です。1 bar は 100,000 Pa なので、1標準気圧はちょうど 1 bar ではなく 1.01325 bar です。NIST は同じ気圧を約 14.6959 psi と示しています。2 atm を検算するには係数を2倍にし、202.65 kPa、約 29.3918 psi となります。計器盤が 203 kPa と丸めて表示しても、それは表示上の選択であって新しい物理状態ではありません。別の元単位はリンク先の変換ツールで試し、測定に必要な桁数を保ってください。
- 1 atm(絶対圧)
- 101.325 kPa(絶対圧)
- 約 14.6959 psi(絶対圧)
ゲージ圧と絶対圧は基準が異なる
絶対圧は真空を基準に測ります。ゲージ圧は周囲の大気圧を基準に測ります。圧力計の表示がゼロでも絶対圧がゼロという意味ではなく、通常は測定対象の圧力が周囲の気圧に近いことを示します。両者を対応させるには、まず単位をそろえ、ゲージ圧にその場の実際の大気圧を加えます。周囲の気圧が 101.325 kPa のとき、ゲージ圧 200 kPa は絶対圧 301.325 kPa に相当します。周囲の気圧は天候や高度によって変わるため、仮定した値を明記し、暗黙のうちに固定値として扱わないでください。
基準を変えずに単位だけ換算する
ゲージ圧の 200 kPa は約 29.0 psi のゲージ圧です。絶対圧の 29.0 psi ではありません。単位変換ツールは数値に換算係数を掛けるだけで、計器の基準を推測したり変更したりできません。同様に、絶対圧の 1 bar とゲージ圧の 1 bar は、数値と単位の書き方が同じでも異なる物理的圧力です。計器の資料で gauge、absolute、barg、psig などの表示を確認しましょう。基準が書かれていない値は、元資料の意図が分かるまで重大なしきい値の判定に使わないでください。
測定条件と精度を残す
タイヤ、配管、工程、気象の値では、慣用的な圧力単位だけでなく圧力の基準も異なる場合があります。装置によっては二点間の差圧を表示するため、その場合は差圧と明記してください。換算後の値と上限を比べる前に、指定された上限が最大絶対圧かゲージ圧の読み値か確認します。途中の値は丸めず、最後にセンサーの分解能に合わせて丸めてください。単位の換算では温度を測定できず、センサーの補正も機器の安全性の判断もできません。
結果を検算できる形で記録する
元の読み取り値、単位、絶対圧かゲージ圧かという基準、必要に応じて周囲の気圧についての仮定を記録します。たとえばゲージ圧 200 kPa は約 29.0 psi のゲージ圧です。絶対圧を計算した場合は、足し算に使用した実測の周囲気圧も記してください。埋め込み変換器に 1 atm を入力して数値の目盛りの変化を確認し、リンク先の bar と psi のツールも試します。元の単位へ逆換算すると計算の検算にはなりますが、圧力の基準を正しく選んだことまでは確認できません。